ファラリスの雄牛
拷問。
受けたことがある人はほとんどいないだろう。
「こんなん拷問じゃねーかwwww」と感じる、発することはあっても、
まぁ大抵は可愛いもんでしょう。
拷問について詳しいわけでもないが、ある意味ステレオタイプ的に考えると、水責めが真っ先に浮かぶ。
水を絶え間なく顔に注いで呼吸困難を誘うような拷問もあれば、
額に一定の間隔で水滴を落として精神的に発狂させる方法もあると聞く。
果たして額に水滴を落とされるぐらいで発狂するのかは想像に難いが、
Chinise water torture と言われるぐらいのものなので実際にも行われていたのだろう。
単純に肉体や精神を痛めつけるだけならば上述の水責めや、体を鞭で叩くなど
多くの方法が浮かびそうなものだが、
常軌を逸した拷問方法も多々ある。
古代ギリシャ時代に考案されたというファラリスの雄牛は、
真鍮で雄牛をかたどった像の中に人を入れ、
火で炙ると、うめき声が雄牛の鳴き声のように聞こえる。
という逸話が有名な処刑/拷問方法である。
現代では、果たして殺傷能力があるまでの熱を与えられるか怪しいなどの見解もあるようだが、
発想のグロテスクさや、考案者自体がこの雄牛像で殺されたという逸話もあって有名である。
その他に有名なもので言うと、
鉄の処女 だろうか。
これに関しても殺傷能力を疑問視する声は多いようで、
実際、針の長さが短くて刺し傷程度で済むような個体もあるらしい。
この鉄の処女、実は日本でもお目にかかることができて、
明治大学博物館に所蔵されている。
是非一度見に行きたいものである。
拷問と聞くと残虐なイメージが強いが、
何か好奇心を掻き立てられる点があるのは間違いない。
情報社会となった今、私たちのようないわゆるオタクと言う人種は、
もし引き換えにできるのであれば肉体の苦痛を簡単に差し出すことができるほどに、
PCの中に自らの性癖や恥部を隠し持っている。
よく、死んだら自動的にHDDが爆破するシステムが欲しいと言うような話を聞くが、
私自身も自らのPC、スマートフォンのパスコードを吐くぐらいならば、
そっとファラリスの雄牛に身を委ねるだろう。
ちなみに私は中学生時分のある日、家族共用のPCで
いわゆる"エロ同人誌"なるものを拝み、自己鍛錬に励んでおり、
そのまま果てて満足してしまったのか
そのまま昼寝を屠るという大失態を犯し、
夕食どきに目覚めた私は
同人誌の絶頂シーンを大々に映し出すPCのモニターがリビングから見える状態で夕食の団欒を終えたこともあるため、
ファラリスの雄牛の中でも数年は生き延びると思う。