エロビデオ屋に行ったら世界の広さを実感した話
私は男性で肉体的にもまだ若いため、
それなりにはお盛んなわけである。
人それぞれ個性があって当然性的嗜好も多様だ。
私は多分1σとは言わないが2σ以内には含まれるはずだ。
いや、3σかな。
世の男性ひいては女性の性的嗜好に応えるために、それはもう様々なアダルトビデオが存在する。
もし生まれてこの方アダルトビデオなどに触れたことのない人がアダルトビデオ専門店に入ったら卒倒するだろう。
それぐらいの数のビデオ(便宜上)がそこには並んでいて、それだけの数の女優なり男優が存在するわけである。
いまからもう10年近く前、R18という人生最大ともいうべき障壁を越えた私はアダルトビデオ専門店によく足を運んでいた。
こんなことをいうと筆者の家には数えきれないほどのビデオがあると誤解されるかもしれないが、
たいていは棚を眺めてお気に入りの女優やメーカーの新作を眺めて妄想を一通り膨らませてからただ帰るのである。
この感覚はなかなか人に話してもわかってもらえないかもしれないが、
わかる人には話さなくてもわかってもらえると思う。
前置きが長くなったが
この前、久しく行ってなかったAVショップに行ったのである。
毎回その本数に圧倒されながらも、なんとなく店内を眺めていた。
別に何かを買うわけでもなく。
ア○ポケやらプ○ステージやら、○級素人やら・・・。
自分の青春に味付けをしてくれた、
いやひょっとするとメインディッシュなのかもしれない作品たちに敬礼をして店内を回っていた刹那
目に飛び込んできたのはいわゆるエロ漫画雑誌。
一昔前にはコンビニにもよく置いていたが最近はなくなったものだ。
不思議なもので、画面越しにでも女体は数えきれないぐらい見てきたし、
画面を介さなくてもそれなりにはみたことのある本物の女体よりも
時にはそういう2次元の、しかもチープな絵が非常にどことは言わないがアレを刺激する。
気づいたら私は家に帰ってその漫画雑誌を眺めていた。
その漫画雑誌は恐らくコンビニにも置いていないような無名のもので、
載っている作品も巻頭の2、3作品以外ははっきり言って絵もお粗末だった。
ただどの作品にも当然作者がいて、ペンネームがある。
恐らく少額ではあってもこの雑誌に掲載されることで報酬を得ている、いわばプロだろう。
コロナ禍で一気に世界が狭くなったような錯覚に陥ることもあるかもしれないが、
自分の知らないところで自分の知らない誰かが、
自分の知らなかった雑誌にエロ漫画を載せているとわかった時に
やっぱりこの世界は広いなとうれしくなったわけである。